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会社を辞めようと思ってなくてもオススメの1冊 〜『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』〜

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか

 

『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(作者:山口揚平、出版社:アスキー・メディアワークス)冒頭では、扇情的なタイトルとは裏腹に、起業を進めているわけではないと明記しています。

いかに「好き」なことで「食っていくか」、そのための知識を分類してわかりやすく解説しています。

『課長 島耕作』は僕たちのロールモデルにならない

大学を出て、大手企業に入り、昇進する。そういった幻想の時代はとうの昔に終わっているとバッサリ。この点においては、自分もそのレールに乗れなかったクチなので非常に共感出来ました。 

 

「好き」で「食う」ために必要な3つの要素

バリュー

スキルや商品の価値。売上や利益に直結するもの。

システム

本書のメインテーマ。

稼ぎの土台(プロフィットモデル)となるもの。

コアな価値となる好きなことは、みんなやることで多種多様。それを「食う」に結びつける「土台」を考えることが一番重要。

クレジット

個人や起業の信用のこと。

独立すると、信用はサラリーマン時代の1/10~1/20になる。

戦略的には信用を想像していくことが大事。

 

「何をやるか」より「どうやるか」

カメラマンの仕事と、大道芸や路上ライブでの集金方法を引き合いに出して解説しています。

売り方、お金の集め方一つでお客さんにとって利用しやすいやり方に変えられます。また、お客さんの利用金額、利益幅も変わってくるのです。

ここでのメッセージは、バリューとシステムを切り離して考えることが必要だということ。バリューはもちろん大事です。でも、システムがないとお金は入ってきません。

収益の土台は必ずしも本業でなくていい 

有名大学の収益モデルが、学費で儲けているわけではないことを解説。投資、寄付、不動産収益で利益を上げているとのこと。ディズニーランドも、テーマパーク事業での入園料関連は43%と半分以下。物販36%、飲食21%で、付加的な売上の方が大きいのです。

本体でなく付加的なものの販売で儲けるモデルは「お土産型ビジネス」と言います。

日本人に合うのは「農耕型起業」

著者は、自分なりのバリューを見つけることに対してあまり深く掘り下げていません。”30歳まで丹念に目の前の仕事に注力すれば、自分なりのミッションというか、提供できるバリューの輪郭が見えるものだと考えています。”と見付けるまでもないといった感じ。

確かに、無理して「やりたい」ことを見つけて起業するのもおかしな話だと思います。別に会社に所属していても、やりたいことが出来ないわけでもないですよね。とりあえず、目の前の仕事に集中することをしてもいいんじゃないでしょうか。

やりたいことができたら、それを小さく始めて時間をかけて大きくしていく。そういった農耕型起業を著者は勧めています。

 

プロフィットモデルパターンは複数組み合わせる

この本の中では、プロフィットモデル(稼ぎの土台)を10種類紹介しています。なにも収入を得る方法を1つにしなければいけないというルールはありません。むしろ積極的に複数組み合わせていくほうが、強固な事業の土台作りとなります。

 

いろいろな起業を例と上げながら解説しています。その中で共通して言えることは、どんなモデルでも「法人相手の契約が取れれば儲かる」ということです。基本的に法人契約というのは、金額が個人相手の数十倍〜数百倍に及び、さらに契約は継続的な場合がほとんどだからです。

 

だれでも最初は一定期間、丁稚奉公せよ

著者は起業までを3ステップに分け、それぞれ「潜伏時代」「独立時代」「起業時代」といっています。

この中の潜伏時代に当たる部分には、必ず丁稚奉公が必要だと言います。

天才であろうと凡人であろうと、丁稚として社会の中でもまれる時期が、誰でも必ずあるということです。 それが、確実にその後の成功の原体験となります。

お金になるかどうかは関係なく、まずはキャリアをスタートさせる。職業訓練の機会が大切だと説いています。しかし僕は、今の日本においては難しいだろうなと感じました。いわゆるブラック企業の蔓延る現代日本で丁稚奉公を望んでも、使い潰されるのがオチかと。

 

人を雇うときは、あらかじめ別れを覚悟しておく

会社員と違い、独立をすれば自分が人を雇う立場です。そして独立直後は、誰かにお願いして会社に入ってもらうことになります。最初は十分な給料も払えませんから、ビジョンの共有して仲間になってもらうわけです。

そんな熱意で雇ったメンバーが辞めていく、辞めてもらうことになるというのが、起業家にとって一番難しいことなのです。とはいえ、会社の成長過程では、人と離れなければいけない時が必ずくるものです。著者は、一定の距離をおくのが思いやりだと言っています。

愛すれば愛するほど、丁寧に関係を可視化し、メンテナンスしなければなりません。

この部分は、雇用関係に限らず友人関係や恋人関係にも言えることですね。ちょっと身がしまる思いがしました。

 

人に感謝できる自分であることで強くなれる

「ありがとう」と人に感謝するとき、人はその対象(相手・事象)の存在価値を肯定することになり、そのことは相対的に自分(エゴ)の存在価値を低下させることに繋がります。

 そのような自己価値の低下に耐えられる強い心を持たないと、経営者としてやっていくのは難しいということ。褒めることも同じです。

無条件に自分を受け入れ、認識できる心の強さを鍛えるべきだとして、作中で感謝を引き出す方法も紹介されています。

 

あらゆる問題は「典型的なもの」だと知っておく

だいたい人間のぶつかる問題など、以前に同じような問題がどこかで起こっているものだと思うことです。よくあるケースだということを知っておくだけで、心も持ちようがだいぶ違います。

自分の身に起きた不幸が典型的なものだと知ったら、最悪のケースを想定し、それを覚悟すること。そして深呼吸することが大事です。リラックスした状態で、目の前の問題解決に取り組みましょう。

 

優秀さ=有能さ × 謙虚さ

能力を磨くよりも、プライドを下げるほうが手っ取り早い。これは分かりやすい。

式から分かる通り、いくら謙虚でも有能さが0ならまったく優秀では無いですね。また、いくら能力が高くても、謙虚さの欠片もないと仕事を頼む気になりませんよね。

結局のところ、仕事の多くはコミュニケーションコストに割かれることも多いです。自分のコミュニケーションコストを下げることは、自分の優秀さを上げることに繋がります。

 

 

あとがきの内容がすごく良かったです。本文もハイライトまみれになってしまいました。

会社を辞めようとは思っていなくても、日々の仕事にマンネリを感じている人も是非読んでみてください。

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか